和田de路地祭
【そもそも和田ってどんなところ?】
和田地区は福井県最西端の町・高浜町に位置しており、海と山の自然豊かな海辺の街です。
海水浴場がいくつも存在し、かつては日本有数のリゾート地として栄え、
最盛期には、ひと夏に約100万人の海水客で賑わっていました。
時代の変化に伴い、客足は遠のきはしましたが、美しい高浜の海を未来までつなぎたいという想いから
今では若狭和田ビーチは国際環境認証ブルーフラッグをアジアで初めて取得し、世界に認められるビーチとして注目を集めています。
リゾート地として栄えていたということから町には多くの民宿や旅館、路地などが当時の面影そのままに残っております。
野嶋研究室では海などの自然の資源だけでなく、町を構成する空間に和田の良さ、和田の面白さを感じ、
路地や空き民宿などを活用し、まちづくりに携わってきました。
その一つのプロジェクトとして生まれたのがこの和田de路地祭です!
【和田de路地祭とは?】
和田de路地祭は2009年から開催している
「和田の路地を舞台に、和田地区独自の魅力を発信していくイベント」です。
和田de路地祭が開催される数年前から、和田地区住民とともにワークショップを行うなど
まちづくりの勉強を地域と学生が一体となって行っていました。
そして2009年、和田地区住民が主体となって第1回和田de路地祭が盛大に開催されました。
その後、回数を重ねるにつれ和田de路地祭に足を運ぶ人の数は増え、開催が5回を数えるころには
2000人を超える来場者が全国各地から訪れるようになりました。
昨年行われた第11回和田de路地祭では過去最多の70企画が民宿や路地を使って行われるなど、毎年活気にあふれています。
内容は少しずつ変わりながらもみんなの熱意は変わらず受け継がれ、訪れた人たちを魅了している、そんなお祭りです。
【COC+とは?】
福井大学野嶋研究室を中心に学生が関わり続けてきた和田de路地祭。
2016年から地(知)の拠点大学による地方創生推進事業としてCOC+という名のもと活動を行うこととなりました。
COC+では福井5大学連携(福井大学、福井工業大学、福井県立大学、仁愛大学、敦賀市立看護大学)として
学生の人数、専攻の幅を広げ、多くの人々が関わり始めました。
今までになかった大学間の交流は新しい視点を和田にもたらし、また参加した学生の視野を広げることにもつながるなど
大きなメリットを生みました。
【実際どんなことをしているの?】
和田de路地祭のメインとなっているのは『民宿ギャラリー』です。
空き民宿を活用して、アーティスト自らが制作した作品を展示、販売したり、おしゃれなカフェを営業したりしています。
和田住民さんだけではなく、名古屋や大阪から訪れて出店している人たちもおり、祭りを盛り上げます。
普段はもう使われていない民宿たちが、この日は和田の主役です。
『長街宴』では「みんなで一緒に食卓を囲む」をコンセプトに、路地に全長80mにも及ぶほど長く並べた机を、
それぞれが作った料理を持ち寄って囲み夕食をともにするイベントです。
灯りによってほんのりと照らされた食卓を囲みながら和気あいあいとお話している様子に、一体感が感じられます。
長街宴でのステージイベントのメインを飾るのは「古着物リメイクファッションショー」です。
地域団体のやまぼうしの会がいらなくなった衣服を1年かけてリメイクし、それを着たモデルがランウェイを歩きます。
地域のひとりひとりがこの日は主役になれる、そんなイベントです。
現在、長街宴会場は公民館駐車場に移され、長街宴の代名詞であった長く並べられた机はなくなってしまいましたが、
ファッションショーや地元バンドのライブ、高浜町のご当地ゆるキャラ「赤ふん坊や」による体操など、
さまざまなコンテンツで楽しみながら食卓を囲むイベントとして継続しています。
『学生企画』は、それぞれの年の現役大学生が工夫を凝らしながらいろいろな企画を行ってきました。
学生企画の根幹は、「和田地域に対する提案」です。その場所に住んでいないからこそ気付くことのできる
地域の魅力を発見し、それを空き民宿や路地を用いて発信します。
空き民宿の有効活用としてカフェや案内所としての提案を行うといった「既存の利用提案」に加え、
LINE@を用いたイベントまちあるきを提案するなどの「新しいコンテンツの導入」も行ってきました。
ひとりひとりの柔軟な発想をもとに和田に魅力的な提案をしていく、それが学生企画です。